ダメ投資本あるある(日本編その6)
今回は、「こんな投資本は買わない」シリーズの番外編です。
6:「金持ちマインド」本
これらは厳密には「投資本」ではないのですが、書店では投資本コーナーに置かれていることが多いので、ついつい手に取ってしまう本のグループです。
「お金持ちの習慣は...」「金持ちは〇〇、貧乏人は〇〇」「億万長者の思考法」「年収3000万の人は〇〇、300万の人は〇〇」といったタイトルの本は、すべてこのカテゴリーに属します。
まったく個人的な感想なのですが、こうした本には二つの大きな欠点があるように思います。
A:金持ちの定義が狭い、古い。
お金持ちと一言にいっても、もちろんいろいろなタイプがあります。
1=成功したビジネスマン(起業家を含む)、2=親子代々の金持ち(資産相続型)、3=開業医、弁護士や芸能人など(職業由来型)、4=株や不動産投資の成功者(投資家型)、5=経営者や管理職の女性など、数えあげればきりがありません。
しかし「金持ちマインド本」で取り上げられるお金持ちは、ほぼ1のタイプに限定されています。
その理由は明らかで、読者の大半が上昇志向のビジネスマンだからでしょう。彼らはそこそこ良い大学を出て、大都市圏のそこそこ良い会社に勤める人たちですが、いまさら地方の名家に生まれることはできませんし、開業医や芸能人にもなれません。(女性になれる可能性は、ないわけではありませんが。)
ですから、彼らが目指すお金持ちは必然的に1のタイプしかないのです。もちろん4のタイプを目指すことはできますが、そういう人はむしろ会社が嫌いで、早く辞めたいタイプが多いのではないでしょうか。
したがって、こういう本で描かれる理想の金持ちは、何となく昭和っぽい、半沢直樹的世界観のビジネス・リッチになってしまうのです。そういう世界に憧れのない人には、まったく響いてこないのもしかたのないところでしょう。
少し長くなったので、以下、次回に続きます。